特別編 ソルト焼入れに付いて
いつも閲覧有難う御座います。
今回は、特別編第2回としまして、ソルト焼入れを書いて行きたいと思います。
ソルト焼入れとは何か?
簡単に説明させて頂きますと、塩を溶かした中に熱い鋼材(製品)を入れて焼入れを行う方法です。
ここでの塩とは塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化バリウムなどを混合した中性塩で
高熱で溶かした中に熱く加熱した製品を入れて焼入れを行う方法です。
ソルト焼入れのメリットは?
硬度が入りにくい鋼材であっても高硬度が得られます。
主にS45C、S50C、S55Cなどが挙げられます。油冷処理では余り硬度は入りません。
鋼材組織の安定化、寿命向上が見込まれます。
完全マルテンサイト組織により後工程で
ワイヤーカットや放電加工をしても変形や経年変化の抑制をします。
ソルト焼入れの利点は?
塩の特徴から製品に浮力を与えて製品を浮かび上がらせる事無く熱処理が可能で
割れや欠けの起こりやすい高い負荷を掛ける工具や歪やすい製品に使用されるます。
主にSCM材のエンドミルや低炭素鋼での硬度が必要かつ図面上でソルト焼入れ指示が在る製品。
なぜ硬度が入るのか?
答えは沸騰するか、しないかで決まります、油冷焼入れでは冷却時に沸騰し製品に気泡膜が発生し冷却阻害が起こる為、硬度ムラや硬度不足が発生します、ソルト焼入れは冷却時に沸騰しない為、冷却阻害が起こらないので硬度が入ります。
いよいよ今年も後1か月になりました、1年早い物です、残り1か月を有意義に過ごしたい物ですね
ここで一句
厳冬の朝 霜柱踏む 子供かな
如何でしょうか?健康には御気お付けて来年を迎えましょう。